寒波がおしてきているらしく、夕刻にむけて一段と寒くなった。
一年ぶりに取り出した手袋を着用して、富士山の夕焼けるのを、じっと待つ。
このあたりからでは、どうしても、前衛の山脈がつらなって、裾を曳く富士山を観ることができない。
また、家が建て込んできて、五重塔を富士山の中央にいちづけることが難しくなってきている。
それにしても、このあたりの住宅開発は凄まじい。
昨年まで残っていた尾根筋の緑地すらもが、綺麗さっぱり無くなって、新築の住宅が密集している。良かれ悪しかれ、都市化の波は防ぐ術がなさそうである。やむなく、西向きの下り勾配の道路の隅に三脚を設え、ひたすら、陽の沈むのを待つ。