やませ :KUWAHARA 雨しのつく農事試験場 人影もなく 無心にヤマトシジミ 眼をうつせば かすみたつ 都心にビル群れ ヤッケを雨が伝い 頬を やませがなぞる いちじんの 風のなごりて アメニモマケズ カゼニモマケズ そうして 賢治の世界がひろがる。 信じた者たち 背をむけられ 冷たい視線はささり それでも捨てきれない なにか やませを 活きるヤマトシジミ ケンジは いまを、いきている。