紫陽花がいろづきだした。
雨がちかいのだろう。
?最近、季のうつろいに敏くなった。敏くなったっていうよりも、焦りを感じることが多い。
昨日、真っ白に咲き誇っていた十薬が黄ばみだしている。雨がこなかったせいだろうと、なんとなく、思う。
一輪挿しの膨らみだした卯の花が、夕刻には開ききって、いまにも、精気を喪いそうで、水切りを幾度ととなく繰り返している。
?季のうつろいを、なによりも敏感に甘受し、そこから、はてしなく夢想のできた時代があった。それが、たぶん…若さ…だったのだろう。
そして、季のうつろいに、ただ、ひたすら、苛立ち、とまどう時代のあることを知らされる。それを…老い…と、ひとは、云うのかもしれない。