蝶は春の季語…ところが、揚羽蝶は夏の季語とされている。
ベランダのミカンの若葉に孵化したアゲハの幼虫、小鳥に捕食されないように網がけ、順調に終齢幼虫に育ってみると意外に愛嬌がある。おりおり眼にしていると、ある日、唐突に動きをやめ、細い糸でボディーを固定、蛹化を始めた。この蛹化、変化が無いようで、日々、変化をしている。それは、蛹化の進化と羽化の準備…めぐらす思いの一巡するころ…羽化は突然にはじまる。そして、予想を遙かに超す素早さで羽化を完結、ひろげる羽根に、またたくまに力が満ちあふれる。揚羽蝶を夏に仕分けた先人の意図に心底、納得のひとときである。