水匂う :KUWAHARA 涸れ切っていた沼?に いつ 知らず水のあふれ 水匂う風が わたり ゆるやかに 刻(とき)はゆく なめらかな 水面(みなも)を ひがな みつめつつ 春の陽に ひたる かわせみ みんどろの沼の 春はあさく はるかな むかし 冷たい手に 手をかさね おさない ふたつの影 刻は すぎゆき おもかげは うすれゆき 物憂い春の日の午後 みんどろの沼に 水の匂う