南部線は、川崎市を縦貫するように多摩川に沿って走っている。
川崎市の南の湾岸部と北の丘陵地とを結ぶ唯一の路線ながら、どこか、ひなびたローカルな風情がする。
たぶんに、ひとの流れは東京にむかうようにできているのだろう。流れにそわない路線には、宿命的にローカルな匂いがするらしい。
この季節、南部線的には、太陽が北上して、ちょうど、多摩川の源流あたりで没することになり、没する太陽をおいかけるように列車は走る。そうして、太陽にむかって走り去った列車の後に、よりローカルな風情を醸してゆくようで、心が、癒やされ、惹きつけられてゆくようです。