とうげ :KUWAHARA 国ざかいは芽吹きの峠 峠にさしかかるころ、雨雲は垂れ込め、やがて、ふりだした。 春の雨です。 終わりの桜が残ってます。 ながい、ながい峪間をぬけ 雨に濡れたつづら折りの古道の 急なかけあがり 芽吹きにかこまれ ぴしゃぴしゃと音がして 歩きつかれて峠にいたる。 たたずむ峠は 霧につつまれ どこまでも、ただ、連なる山なみ 越えゆくのも かえりおりるのも なぜか ためらわれる。