予定より30分もはやめに定時総会を終了、慰労会のお寿司をいただいて、咲き始めた虞美人草の丘にきてみた。
虞美人草が、まだ、一般的でなかった時代、古書店で手にいれた文庫本を、窓辺に両肘をつきながらひなが読みあさっていた。時代には、その時代、時代の記憶の綴りがある。藤尾と小夜子、それから、糸子だったかしら、そんな絡みが微かな記憶に残って、だからって、この丘の風景が、ことさらに、かわるってわけでもなく、ただ、たくし上げたシャッツの腕に、やや北向きの風が心地良くすりぬけ、時代という「もののけ」に、すっぽりと包まれている自分を肌に感じるのです。
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