台風のなか、大磯にでかけてみた。
波浪は想像以上で、海岸線には、だれひとりみあたらない。
潮風は煙霧のように吹き付け、数分でレンズを曇らせ、視界がなくなる。?
先週、いれかわりたちかわり群をなして飛来していたアオバトは、まてどくらせど、あらわれない。
夕刻になって、一羽のアオバト、果敢に波にいどむ。
それは、まるで、いのちを弄ぶ戯にもにている。
岩礁にしがみついて、波濤をやりすごし、波濤のすぎた波の谷間を翔けあがる、波濤の直前を翔けあがる、波濤とともに翔けあがる。?
でも、いずれのパターンも、死と背中あわせの感じがする。
彼らは、なぜに、命を賭して、波間に沈む岩礁に固執するのだろう。