こころ :KUWAHARA すっぽりと陽がおち、北の風がふきだした。 枯れ木立の小径、都心のビルの谷間、いずこにあろうと、紺青の冬が好きだ。 風が透き通って、われと我が影をふきはらい、こころが軽くなる。 夜のとばりに、ひとは、ひとひらの、こころをもとめる。 いかに、まぼろしであろうとも、ひとは、ひとひらの、かりそめのこころを追いもとめ、ひと夜を、さすらいつづけるものらしい。