立冬 :KUWAHARA 日暮れの早さに戸惑いの募る立冬…ふるさとから秋野菜が届いた。 葉野菜やら根菜、茸やらを、それぞれに仕分け、取り敢えず食用菊の下拵えをして正月用に冷凍する。 かって、菊を食する風習の殆ど見受けられなかった郷里、なぜか、生家の畑には、例年、黄と紫の菊の畝がたてられ、それが、晩秋の景となって脳裏に焼き付いていたものの、それを食した記憶が殆ど無い。 にもかかわらず、往時の父の齢にかさなる齢を過ぎたあたりから、不思議に、この菊の特有の香りと食感とに表現し難い懐かしさを感じるものがある。