皐月 :KUWAHARA 故郷から、旬の山菜をいただいた。山菜は鮮度が命、取り敢えず、湯通しなど下処理をして冷蔵庫と冷凍庫に、そして、夕餉の一品を考える。雪融けを追いかけるようにフキノトウ、カタクリ、ウドと芽を伸ばし、少し間をおいてワラビ、ネマガリタケ、ミョウガタケ…皐月である。 郷里でタケノコと云えば、ネマガリタケ、アクが少なく、ほろよい甘さは皐月の味覚そのもの、そのまま囲炉裏の熱い灰に挿し込み、火が充分に通ったものから、抜き出し、皮を剥いて食する。少年の日の懐かしい味覚である。