それは 貧富の格差の激しかった時代?
メーテルから「999」の切符が届いた
その日 八つ目の駅で「999」は停まった
そこには ホテルが ただ一軒だけ…
貌の無いドアマン
貌の無いベルボーイ
夜景を見ながら 珈琲啜ってると
「お口にあいましたでしょうか?」
貌の無いシェフ
戻ったルーム ブーケにメーテルからのメッセージ
「バー 最上階のいちばん奥、窓際シート予約してあります。」
細く 流れるように書かれている
格差社会に翻弄されて
それも もう 遠い日々の記憶
その夜は 車掌さんも降りたらしく「999」は 物音ひとつ無く 惑星空間に長い車両を連ねて停車していた