
夜明けの撮影は、ほぼほぼ、一瞬で決まるような気がする。かって、フイルムのころは、現像するまで、その出来ばえが不明であったため、複数台の三脚にそれまでの経験則から、あらかじめセットしたカメラを用意し、刻刻変化する夜明けの光線状況に即応するようにリリースしていた。そこでは、狙いの構成と、その日の光線状況を瞬時に判断しショットする必要があり、デジタルカメラには無い、独特の醍醐味のようなものががあった。デジタルの時代、多くの経験則から習得した職人的なカメラマンとしての技量が不要とされ、培われた矜持のすべてが打ち砕かれ、やがて、リリースそのものの高揚感が喪失されてしまったように思う。
