ポピーの丘にくると、なぜか、漱石の虞美人草が懐かしく思い起こされる。故郷を離れ、狭いアパート暮らしが板についたころ、古書店めぐりが日課になって、太宰から芥川に、読み飽きて鴎外、そして、漱石全集を齧る。十代の感覚での虞美人草は極めて観念的、その記憶の綴りでファインダーをのぞくと全景と異なるポピーが眼にはいる。
Category: つれづれの記: 桑原
ポピーの丘にくると、なぜか、漱石の虞美人草が懐かしく思い起こされる。故郷を離れ、狭いアパート暮らしが板についたころ、古書店めぐりが日課になって、太宰から芥川に、読み飽きて鴎外、そして、漱石全集を齧る。十代の感覚での虞美人草は極めて観念的、その記憶の綴りでファインダーをのぞくと全景と異なるポピーが眼にはいる。