横浜を離れて武蔵野に流れ着いたころ、ハマと違って、武蔵野は、いずこも似たような風景のつらなりだったように思う。ナラやクヌギの林を抜けると、麦畑やジャガイモ畑があって、農家の方々が、せっせと鍬をふるっていた。
ちょうど、麦秋の季節、農家を背景に実る麦の穂の写真を撮ろうと丘にあがったら、立ち入り禁止のロープが張ってあって、せっかくの麦の穂波を撮ることができなかった。
武蔵野も、いつしらず、自然豊かな大地から、都市部の勤労者の居住地に変化してしまっているらしい。それでも、この季節、麦の穂をゆらす、芳醇とした風に頬をなぶらせながら、丘から丘を、なんとなく、歩きまわるのが、とても、好きです。
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