ゆうぐれ、新春の満月が、ドコモタワーの右方より、少しずつ東京スカイツリーに近づくように昇り、やがて、その上空にいたる軌跡をえがくらしい。
いまの、この時代、あらゆる意味で、おおきなうねりのただなかにある。
経済面、文化面、政治面、ひとの織りなすすべての事象に蠢きがある。
それは、社会の仕組みそのものの変容として、それも、驚くほどの速さで迫ってきているように感じられる。
あらゆる面での、それぞれのツールが、いっせいに進化し、そのゆきつくところが、いまだ不透明な状況なのかもしれない。
時間、空間、認識などの概念が根底からゆらぎ、情報が氾濫し、一方ではグローバル化が、他方では熾烈な峻別が、渾然として同時進行しているらしい。
おおらかに、都心を満月はのぼる。
いにしえから、ひとの心に癒やしを与え続け、そして、いまも、おだやかに月は昇る。
ひとは、すべての、原点にもどって、ひと本来のあるべきかたち、社会のあるべきかたちを、真剣に考えねばならないときなのかもしれない。
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