露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す 西東三鬼
学生時代、恩師に師系をお尋ねしたところ亜浪の石楠のお話しをいただいたことがある。格別に意味のあることではないのだろうけれど、この恩師の句の肌ざわりが、なんとなく性に合って、なんとなく、亜浪の亜流の末席にあるように意識していたことがある。
そんな、あるとき、三鬼の句に出っくわした。正直、まいったなって、思った。そう、思わせる何かが、三鬼にはあった。
それは、たぶん、三鬼のもつ特有の肌ざわりに異質感と憧憬とを重ねたためかもしれない。
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