ふるさとから雪のたより、冷凍していた菊を戻し、三杯酢でいただく。
冷蔵庫から菊芋を取り出して味噌につけこみ、二個ほどをスライスして夕飯の一膳を考える。
かって、食料が逼迫していた時代、米は、より穂丈の長いもの、南瓜も、より大きいもの、畑は、すみずみまで、胃を満たす作物で埋め尽くされていた。
そんな畑の、しかも、陽当たりの良好な二畝が、なぜか、菊で占められているのを、いつも、不思議に感じていた。
それが、父の食に対するこだわり、そう理解できたのは、父の年齢を超えた頃から、姉からいただく菊のお蔭である。
菊をいただく、菊芋(唐芋)をいただく、何故か、雪まじかの、ふるさとの風景が、脳裏にうかぶ。ありがたきかな、ふるさと、である。
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