コロナの街は、いまだ、騒然としている。
未知なるものに対する漠然とした不安は、知らず知らずのうちに全ての人の心を蝕み、そして、限りない憂鬱さを増殖させている。
現代社会が急激に歪めてしまった時間と空間、その歪みによるある種の報復に遭遇しているのかもしれない。
非効率、非生産的かも知れないが、ひと が ひと として生きる本来のあるべきかたち、そうした、ある種の原点復帰と云うものを真剣に模索する時期にあるのだろう。
ものごとは、何かを捨てなければ、あたらしい何物をも得ることはできない。永い経験則から、だれしもが理解している、その本来の道筋に従うべきときにあるように思う。
おりしも、梅雨の深まりゆ くこの季節、一番子の親離れ、子離 れが始まっている。
巣立ち後、しばらくは、親鳥から餌を貰いながら、安全な樹間で、捕食を体得し、日々、少しずつ行動半径をひろげ、瞬時もとどまることなく活発に動き回る雛達。
黄緑色の、ほんわりとした雛色から少しずつ純白と蒼色の成鳥色へと変化しつつある、 そんな、自立直前の個性的な雛の一群の有する時間と空間のもつ意味は、混迷の今の世情に何かを問いかけているような気がする。