ふるさと :KUWAHARA 稲刈りがおわり、お彼岸を過ぎるあたり、芒が穂をだし、秋、まっさかり。 ふるさとから、とうとつに、アケビがとどいた。 予期していなかっただけに、ひとつ、ひとつ、味わいながらいただく。 都会住まいは、いつでも、なんでも、手にはいる、入ることがあたりまえ。 そうではあるけれど、遠い日の、ふるさとの、あの懐かしい記憶を手にすることは、どんなにか、お金を投じたとしても手にすることはできない。 ふるさと…とは、そうしたパンドラの筺のうちに存在しているものであるらしい。