一歩のおくれ :KUWAHARA 寒のさなか、氾濫原を漫然となく歩く。 自然のおりなす想像を絶する破壊力、そして、寒のあけを予感させる下萌え、その接線上を、つらつら、歩きつづける。 振り返れば、なぜか、齢に、いつも一歩遅れて生きている。 それが、是非ない自分の性と受け入れた学生時代、その最終章に三木はいた。 そして、五十有余年、昨今、歎異抄に歩を進めた三木を身近に感じることが多い。 いつも、一歩遅れて思索する、その性は、どうやら、生涯変えようがないものらしい。