鳥のように自由にありたい…Free as a bird

桑原特許事務所 - 鳥のように自由にありたい…Free as a bird

山旅 :KUWAHARA

山脈 (1)12

猛烈な風、そして、真冬なみの寒さ、冬山装備の上着を重ね、さらにセーターを着込んで、ヤッケのフードを深くかむる。手袋の手が凍え、夕暮れる小径を山小屋に急ぐ。40年ぶり、おなじように山小屋はあった。

宿泊は、私だけ、だだっぴろい部屋、コークスの暖炉に火がともり、ランプが灯される。
ひさしぶりの、風の音だけの世界、それも、しばらくすると、とても、落ち着くから不思議です。
山小屋201
春以来、いくつかの山行を企画しながら、いずれも、野暮用で、ご破算になっていた。? いま、この年齢で、どれくらい、歩けるのだろう。どの程度の山行が可能なのだろう。

山を遠ざかってひさしい。冬がくる前に、とにかく、いくつかの山なみを越してみよう。そうしなければ、なんにも始まらない。そうして、ふらっと、新幹線に、とうとつに、山旅についた。

むかし馴染みのコースをとりながら、それなりに、時間を稼いでみる。
そうやって、予想していたレベルを肉体に記憶させる。
山行は、頭脳でなく、ひたすら肉体の記憶による。
それ以上でも、それ以下でも、山行は意味をもたないと、多くの先人から教えられてきた。
山脈 (2)01

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