ふる里ならではの秋の恵をいただいた。虫の食害を防ぐためにとりあえず栗を湯がき冷蔵庫に、渋抜きの八珍柿と南瓜、糸瓜は北の部屋の収納に、アケビは昼餉のデザートにと…秋の味覚を堪能させていただく。おりしも、秋の満月である。山野を駆けめぐった日々の追憶を、しばし、賞味させていただく。
かって、定年退職後に家業の園芸店を引き継いだ横浜の先輩が…越後の三つ葉あけび…に惚れ込み、しょちゅう越後の山野を駆け巡っていた。やわらかな若葉、神秘的な花、濃紫の綺麗な実、とろけるような甘い果肉…最近…五葉のあけびしか眼にすることができないと、その先輩の想いが、つとに思い起こされる。