かそけくも咽喉鳴る妹よ鳳仙花 木歩
啄木、一葉、木歩、そんな彼らに自らの青春をかさねた時代があった。
やるせない時代、おとなになりきれない時代、そんな思春期に特有の嗅覚をになって、東京の裏街をさすらっていた時代。
そうそうに、病魔が木歩を連れ去ってしまったが、木歩は、多くの人の心の裡に、青春の痼りとなって残っているのだろう。
俳句を囓りはじめた青春、燃え立つ情熱と闇雲な思索と挫折、そんななかで、木歩は欠くことのできない青春の心にうたれたひとつの杭となっている。
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