ふるさとから、ヤマウド、アケビの芽、アサツキ等の旬をいただいた。
さっそく、ひと品を夕餉のテーブルに、春の味覚を味わいながら、山菜採りを懐かしく思いおこしている。
ヤマウド採りは、まず、生家の裏山の崖の端から始まって、

やがて、順次、谷筋の山奥へとむかう。そして、ひと山を越えたクルミダイラから北向きにあるヨコネにいたる。急峻な崖のヨコネは、山菜採りも少なく、雑木も少なく、ヤマウドを採るには、格好の場所、それはまた、撓う雑木に縋りつきながらのスリリングなウド採りの場所でもあった。
ウドをいただきながら、少年の日の、あの急峻な崖の雑木に縋っての…ウド採り…の感動を、しみじみと、味わっている。